年金改正の平成17年4月試行分

 平成16年年金改正は施行日が何段階にも分かれ、実施されています。
 平成19年4月からは老齢厚生年金の繰下げ、離婚時の年金分割などが実施されます。

●65歳からの「老齢厚生年金」の繰下げが可能に
 これまで年金の支給開始年齢を繰下げできるのは、老齢基礎年金だけでした。平成19年4月からは老齢厚生年金についても、支給開始年齢を最高70歳まで遅らせることができるようになりました。繰下げた年金額は、繰下げ後の支給開始年齢に到達してから、本来の年金額に加算されて支給されることになります。
 なお、老齢厚生年金を繰下げできるのは,平成19年4月1日以降に65歳になる人(昭和17年4月2日以後生まれの人)だけです。

***当基金に加入されている方へ***

 老齢厚生年金の支給開始年齢を繰下げると、基金の基本部分も国と同様に繰下げて支給されることとなります(注:加算部分については、この場合でも繰下げは行いません)。
当基金では、加入員の方が65歳に到達する前に、支給開始年齢の繰下げの意思を確認するために加入員宛ご案内をお送りします。
図


●70歳以上の在職者にも支給停止の仕組みを導入
 これまで給料と年金額が一定額を超えた場合、年金額が調整(一部または全額支給停止)されるのは60歳代の在職者だけでした(この制度を在職老齢年金制度といいます)。平成19年4月からは70歳以降の在職者についても、年金が調整されることとなりました。
 70歳以降の在職者の支給停止の計算方法は、60歳代後半と同じです(60歳代前半と後半では計算方法が異なります。下図参照)。
 なお、この改正事項の対象となる人は、平成19年4月1日以降に70歳になる人(昭和12年4月2日以後生まれの人)だけです。

***当基金に加入されている方へ***
 上記のように、国の老齢厚生年金は70歳以上在職者の場合、支給停止となるケースがあるわけですが、当基金ではどんなに給料が高くても、基本部分について(もちろん加算部分も)支給停止をせず、全額支給します。
 
  60〜64歳 65〜69歳 70歳〜
老齢厚生年金 当基金 加算部分 支給停止※ 支給 支給
基本部分 支給停止※ 支給停止※ 支給
老齢厚生年金 支給停止 支給停止 支給停止※
保険料・掛金負担 当基金
(代行部分)
掛金 1.5%
(負担あり)
0.6%
(負担あり)
負担なし
(負担なし)
保険料 負担あり 負担あり 負担なし
  (注)支給停止※・・・当基金加入事業所以外で働いている場合は、支給停止とはなりません。

60〜65歳未満の在職老齢年金の支給停止の計算方法
〔年金月額と総報酬月額相当額で決定される支給停止額〕  (平成27年4月現在)

年金月額

総報酬月額相当額

支給停止算出内訳(計算式)

年金月額と総報酬月額相当額の合計が28万円以下

全額支給(支給停止なし)

年金月額が
28万円以下

総報酬月額相当額が47万円以下

{(総報酬月額相当額+年金月額−28万円)÷2}

総報酬月額相当額が47万円を超える

{(47万円+年金月額−28万円)÷2}+(総報酬月額相当額−47万円)

年金月額が
28万円を超える

総報酬月額相当額が47万円以下

総報酬月額相当額÷2

総報酬月額相当額が47万円を超える

47万円÷2+総報酬月額相当額−47万円

  *総報酬月額相当額とは、標準報酬月額と1年間の標準賞与額の1/12との合算額を指します。
 

65歳以上の在職老齢年金の支給停止の計算方法


〔年金月額と総報酬月額相当額で決定される支給停止額〕   (平成27年4月現在)

年金月額

賃金

支給停止算出内訳(計算式)

総報酬月額相当額と老齢厚生年金(年金月額)の合計額が47万円以下

老齢厚生年金を全額支給(支給停止なし)

総報酬月額相当額と老齢厚生年金(年金月額)の合計額が47万円を超えた場合

{(総報酬月額相当額+老齢厚生年金月額)−47万円}×1/2



●年金受給権の返上
 年金とは、年金受給権を得た後、国に請求して初めてその年金を受けることができるものです。これに対し、平成19年4月からは年金の受給権を得ても年金の支給を受けない仕組みが設けられました。この場合、一部だけの支給停止は認められず全額となりますが、支給停止の撤回はいつでもできることとなります。

***当基金に加入されている方へ***
 国の給付の支給停止を申し出ている人に限り、基金の基本部分も申出により支給停止することができます(注:加算部分は支給します)。国の給付の支給停止の申出を撤回した場合は、基金の給付についても支給停止撤回の扱いとなります。


●遺族厚生年金制度の変更
 平成19年4月から、遺族厚生年金制度に関し次の3点が変更となりました。

(1) 65歳以降の遺族配偶者(多くの場合、妻)に対する年金給付については、まず自分の老齢厚生年金を全額受給したうえで、改正前の給付水準と差額がある場合には、その差額を遺族厚生年金として受給するという仕組みに変更されます。したがって実質的には法改正の前後で年金額に変更は生じません。
 
(2) 30歳末満で子がいない場合の遺族厚生年金は5年が限度に
 従来、遺族厚生年金は妻が再婚しない限り、一生もらうことができました。しかし、平成19年4月以降に夫が死亡したとき、「子のいない30歳未満の妻」の遺族厚生年金は5年間の有期年金となりました。
 
 
(3) 中高齢寡婦加算の支給対象年齢を引き上げ
 在職中の夫が死亡したときや老齢厚生年金の受給権者または受給資格者の夫が死亡したとき、妻に支給される遺族厚生年金には一定の加算額が支給されます。
 この加算額は「中高齢寡婦加算」といい、妻が40歳から65歳の間、支給されます。加算額は年額59万4,200円(平成19年度)という大きな額です。
 新しい仕組みでは、この加算額の支給される条件が少し厳しくなりました。従来は、夫の死亡時、妻の年齢の35歳以上が要件でしたが、平成19年4月以降からは、夫の死亡時の妻の年齢が40歳以上に変わりました。
 

***当基金に加入されている方へ***
 基金に加入している妻は、60歳代前半では「遺族厚生年金」「自身の老齢厚生年金」のいずれを受給するかを選択します。遺族厚生年金を選択する場合、基金の年金額との調整は特に行われません。 65歳以降は、原則として「自身の老齢厚生年金」を受給することとなります(「自身の老齢厚生年金」と「遺族厚生年金+経過的寡婦加算」「老齢厚生年金の1/2+遺族厚生年金の2/3+経過的寡婦加算」と比較して、後者が大きい場合、その差額が「遺族厚生年金」として支給されます)。当基金から支給される「基本年金(≒代行部分)」は「老齢厚生年金」の代行ですので、同額が国の「老齢厚生年金」支給額から減額されます。60歳代前半に「遺族厚生年金」を受給していた場合、65歳以降は国からの支給額が60歳代前半と比較し減額することとなりますのでご留意ください(下図参照)。
 
【遺族厚生年金を選択する場合】
 


●離婚時の老齢厚生年金の分割について
 近年、中高齢者等の離婚件数が増加していますが、現役時代の男女の雇用格差・給与格差などを背景に、離婚後の夫婦双方の年金受給額には大きな開きがあります。
 そこで、離婚時に配偶者(主に妻)が不利にならないように、厚生年金の分割制度が平成19年4月から、離婚時の第3号被保険者期間についての厚生年金の分割制度が平成20年4月から、それぞれ導入されます。

***当基金に加入されている方へ***
 離婚により厚生年金の給付が減少する場合、基金は国の年金の一部を代行しているので、その代行部分については、国と同額の分割制度が導入されます。ただし基本上乗せ部分や加算部分は分割の対象外となります。

平成19年4月1日からの分割
 平成19年4月からの分割は、被保険者(主として夫)の保険料納付記録の最大50%までを、配偶者側(主として妻)の保険料納付記録に移転することにより、配偶者の年金額が増える仕組みとなります。平成19年4月1日の施行日以後の離婚が対象(施行日前の婚姻期間も分割の対象)となり、離婚後2年以内に請求することが必要です。分割割合は当事者同士の合意または裁判所の決定で決めます。
図
【参考】
平成20年4月1日からの分割

 平成20年4月からは、第3号被保険者期間中に第2号被保険者(主に夫)が負担した厚生年金保険料は共同で負担したという考え方が導入されます。両当事者の合意または裁判所の決定がなくても、第3号被保険者(主に妻)側の一方的な請求により、自動的に半額が第2号被保険者から第3号被保険者へと分割されます。


スケジュール ポータビリティ
の拡充
次世代
育成支援
在職老齢年金 支給開始年齢
の引上げ

年金改正のご案内